FC2ブログ

肉、魚、卵は危険?

このごろお話をした女性の方々からいろいろ聞いていると、「肉は血液を汚す」とか「魚は水銀がたくさん含まれているから危険」とか「卵はコレステロールを上げて血管が詰まる」とか、こういった類の話が出てくることが多いです。

たしかにたんぱく質は代謝に手間がかかりますし、アレルゲンになりやすいものでもあります。
でも、必須アミノ酸を摂らないと私たちの体は維持できない、ということは科学的に証明された事実です

高校生の時、家庭科の時間に「バリン、ロイシン、イソロイシン・・・」と必須アミノ酸の名前を覚えたはずです。
友人の家庭科の先生はメロディーを付けて歌って覚えさせていました。

必須アミノ酸は体内で合成できないため、食物として外から取り入れないといけない栄養素です。

アミノ酸スコアとかプロテインスコア、と呼ばれるものは、食品の中での8種類の必須アミノ酸の含まれる割合を示しています。

卵、肉類、魚類はアミノ酸スコアがすべて100以上で、バランスが取れていますが、植物や穀類はアミノ酸スコアが低いものが多くて、それだけでは効率よくアミノ酸を利用することができません。

大豆は「畑のお肉」と言われますが、バリン、スレオニン、含硫アミノ酸が80~90台でやや低いです。
ですので、大豆製品だけでたんぱく質の必要量をまかなうのは難しく、すぐにどうこうということはないですが、長い目で見ると栄養的に問題が出てきます。

また、ビタミンB12など、動物性食品にしか含まれていない栄養素もありますので、不足すると悪性貧血や大球性貧血になりやすくなります。

欧米でビーガンと呼ばれている植物食しかしない人たちは、「健康のため」にやっているのではなくて、「主義、信条として」やっているのだと私は思います。
ですから、彼らは不足する栄養素をサプリメントで補って健康を保っています。

一番危険なのは、ネットなどで得た知識をうのみにした、「なんちゃってビーガン」や「なんちゃってマクロビ」ではないでしょうか?
植物食だけで健康を維持するのはとても難しいので、手間がかかります。知識も必要です。

そこのところは飛ばしてしまって、肉や魚は止めてその分菓子パンなどを食べていたら・・・本末転倒な気がします。

肉や魚や卵などの動物性たんぱく質は適切な量を食べる必要があります。
いっぱい食べろとか、そればっかり食べろと言っているわけではありません。
私たちの体は毎日「異化」と「同化」を繰り返して、古い細胞と新しい細胞が入れ替わっています。
その分の材料を入れていかないと、体の機能は落ちていってしまいます。必要な量を摂ることが重要です。

水銀がコレステロールが、と心配するよりも、免疫力を上げて臓器の機能を上げて、毒素を排出来る体にすることが大事ではないでしょうか。
スポンサーサイト

植物性たんぱく質と動物性たんぱく質

たんぱく質には植物性のものと動物性のものがあります。
特に大豆などは「畑のお肉」と言われていますが、植物性だけでは駄目で、動物性のものもきちんと食べることが重要です。

その理由を説明します。たんぱく質は消化されて、アミノ酸に分解されます。そして腸から吸収されます。
アミノ酸は20種類あって、体の中で真珠のネックレスのように結合していきます。この鎖状のものからより複雑な立体構造が作られて、人の体の構造を形成していきます。
体内で結合するとき、メチオニンというアミノ酸が「開始アミノ酸」と呼ばれ、重要な役割を持っています。
わかりやすく言うと、メチオニンが先頭に立って、そのうしろにアミノ酸がつながっていくということになります。
メチオニンは動物性たんぱく質に含まれるものなので、植物性のたんぱく質だけを摂っていると、アミノ酸合成がうまくいかないのだそうです。
植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の割合は1対2くらいが良いそうです。


アメリカなどでは菜食主義の方がけっこういるそうですが、あまり厳密に菜食を実行すると、ビタミンB12が不足して巨赤芽球性貧血になるそうです。
ビタミンB12も動物性の食品にしか含まれていないものだそうで、気をつけないと体を壊すことになります。
だから、アメリカの菜食主義者はビタミンB12をサプリメントで摂るのだと聞いたことがあります。

ただ、大豆のたんぱく質はLDLコレステロールの値を下げたり、大豆に含まれているイソフラボンがホルモンを助ける働きをしたり、良い部分も多いのです。
日本人は大豆のたんぱく質を豆腐にしたり、発酵させて味噌にしたりして上手に利用しています。
納豆も世界に誇れるすばらしい大豆加工品だと思います。
すぐれた伝統食品を活用しつつ、そこにうまく動物性たんぱく質を組み込んでいくことが重要だと思います。

たんぱく質の摂り方のコツ

そうか、たんぱく質を摂らなくちゃ!と思ってたんぱく質生活を始めると、いろいろと問題が出て来ます。
このあたりは、私が実際にやってみて悪戦苦闘したので、いろいろとアドバイスできます。

まず、張り切って牛肉や豚肉を食べるのですが、「胃もたれしてしまう」
これはなぜかというと、今まであまり肉類を食べてこなかったので、消化酵素が少ないせいです。
お腹が張る、おならが臭い(失礼)、みんな同じ原因です。
これは高たんぱく食を続けていくうちに消化酵素が増えてきて、だんだん改善されてきますが、人によっては半年くらいの時間がかかります。
生のパイナップルやキイウィなどの、たんぱく質消化酵素を含むものをデザートに食べる、レモンを絞ったり輪切りにして水に入れたものを用意しておいて、一緒に飲む、という方法がいいです。
あと、一度にたくさん食べられないときは、少量で何回かに分けて食べる、という方法もいいですね。
どうしても量が食べられないという方には、3度の食事の間にたんぱく質のおやつを食べていただいたりします。

それから、前回ちょっと触れましたが、同じ食材を食べ続けると、遅延型アレルギーになることがあります。
遅延型アレルギーというのは、食べてすぐに症状は出ないけれども、何日(何時間)かして何か体調が悪くなるというアレルギーです。
すべての人がなるわけではないですが、念のため、いろいろな種類のたんぱく質をローテーションすると良いそうです。
肉でしたら、鶏肉→豚肉→牛肉というように。
魚もいろいろな種類がありますから、季節ごとに旬の魚を食べるのがいいでしょう。
一番使いやすい卵や乳製品は前回書いたように、5日食べたら2日休みます。

食物アレルギーのある方は、より難しい部分がありますね。
まずは、何に対してアレルギーがあるかを、きちんと調べてもらうことが大切ですね。
あれもこれも、心配だ、不安だ、というので制限してしまうと、摂れるたんぱく質がなくなってしまいます。
重症のアレルギーのある方の場合は、こちらでは栄養療法の専門のお医者さんを紹介しています。
栄養療法では使えるツールがいろいろあるので、アレルギーの心配のないプロテインなどを出してもらえます。
どうぞご相談ください。

たんぱく質の摂取量はどのくらいか

話が横道にそれました。またたんぱく質のお話に戻ります。
たんぱく質は「体重1kgあたり1g」が基本の必要量です。
だから体重50kgの人は50gということになります。
楽勝じゃないか!いつも肉を200gは食べているぞ!
ところが、そう簡単な話ではないんですよ。食品に含まれるたんぱく質を評価するとき、「プロテインスコア」に気をつけなくてはいけません。
プロテインスコアとは、食品に含まれる必須アミノ酸の比率を表しています。
最も理想的なのは「卵」で、スコア100です。いわしは90、牛肉は80だそうです。(それぞれ9割、8割と考えてください。)
100gの牛肉を食べたとき、どのぐらいのたんぱく質が摂れるか計算してみましょう。
実は肉は「筋」や「脂肪」などが結構含まれています。実質たんぱく質は、肉100g中20gだそうです。
そこにプロテインスコアを掛けます。       20g×0.8=16g
しかも加熱することで損失が出てしまいます。 16g×0.5=8g
100gの牛肉を食べて得られるたんぱく質はたったの8g。必要量を摂るためには、1日500~600gの牛肉を食べないといけないんです。結構大変ですね。
しかも、しかも、子どもは成長期なので、体重1kgあたり1.5gのたんぱく質が必要になります。
だから気をつけないと「たんぱく質が不足する」ことになってしまいます。
卵はプロテインスコアも高く、たんぱく質の含有量も多い、とても優秀な食材です。
卵1個のたんぱく質量は6.5gです。私は皆さんに「卵をたくさん食べてください」と言います。
ただ、同じ食材をずっと食べ続けると、人によっては「遅延型アレルギー」の原因になることがあるので、5日食べたら2日休む、という食べ方が安心なようです。
たんぱく質は食いだめができないそうで、毎日心がけて食べないと不足してしまうそうです。
分かりやすい目安としては、1回の食事に手のひら1つに乗る量の
肉・・100gくらい  魚・・100gくらい 卵・・2個くらい  大豆製品・・豆腐3分の1丁+納豆1パック  乳製品・・100gくらい
この中から2種類を選んで組み合わせます
例えば、朝食に卵とヨーグルト。昼食に焼き魚と豆腐の味噌汁。夕食に肉いためと納豆。
もちろん、野菜も加えてください。
けっこう大変!と思われるかもしれません。でも簡単な料理からでいいのです。
1ヵ月、試してみてください。お肌の張りが出てきますよ!

たんぱく質を摂ると太るのか?

さて、それでは「たんぱく質を摂ると太るか?」という問題です。
京都、高雄病院の江部康二先生は「糖質制限食」を糖尿病の治療に使われている、とても有名な先生です。
江部先生の『主食を抜けば糖尿病は良くなる』という本の中には、

「現代の食生活のように、白飯やパン、うどん、ラーメンなどの形で1日3度の食事で毎回のようにでんぷんを多量に摂り、砂糖を大量に使ったお菓子や飲料を常時摂取していると、日に何度も血糖値が急激に上がり、そのたびに多量のインスリンが必要になります。インスリンには、体中の細胞にブドウ糖を取り込ませる働きがあるのですが、もうひとう、体脂肪を蓄えさせる働きがあります。血糖値を上げる食生活をしていると脂肪は燃えなくなり、余分な糖質がインスリンによって体脂肪として蓄えられていくのです。こうして肥満していくと、細胞のインスリンへの抵抗性が増してインスリンが効きにくくなるのです。」
と書かれていて、糖質の摂取過剰で太る、と述べておられます。

一方、たんぱく質についてはインスリンの分泌はほとんど無いので、体脂肪が増えることがないので太ることはないそうです。
むしろ、糖質制限をした方々は、皆体重が減り、それだけでなく中性脂肪の数値が下がり、善玉コレステロールが増えるのだそうです。
江部先生の提唱されている「糖質制限食」は糖質だけを制限して、その代わりたんぱく質は制限しないで、しっかり食べる、というもので、今までの、辛くひもじい糖尿病治療食とはまったく異なる、お腹いっぱい食べて、でも血糖値は下がるという画期的な食事法です。

実は私も子どもに付き合って糖質制限をしたところ、半年で4kgくらい体重が減って、大変嬉しかったことを覚えています。
それと、顕著だったのが、食後の眠さがまったく無くなったことでした。

江部先生のブログ「糖尿病徒然日記」には、糖質制限食にすると、太った人はやせて、やせた人は適度に筋肉が付くと書かれておりました。

皆さん、いかがでしょうか?
きちんと糖質の管理ができていれば、たんぱく質をたくさん食べても体重は減るんですよ!
プロフィール

poco a poco

Author:poco a poco
加賀瀬みどりです。愛知県出身の60歳です。上田に家を建てて20年近く。高校の講師を19年間続けてきました。2015年7月より上田市内で「子育てカウンセリングルーム」を開設しました。自分の家族の体験から栄養の大切さに気づき、「栄養療法」の勉強を続けてきました。この勉強はかれこれ9年になります。今までの考え方を覆すような驚きの連続でした。勉強したことを生かして、子育てに悩むお母さんがたの手助けをしたいと思っています。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
来室数
あなたは
検索フォーム
QRコード
QR
参考リンク
参考図書
おすすめ商品