FC2ブログ

夏休みに読んだ2冊の本 その2

夏休みに読んだもう一冊の本は『うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった』(藤川徳美)という本です。

著者の藤川さんは精神科の先生で、広島県で「藤川心療クリニック」を開いておられます。

藤川先生は自身の太りすぎによる体調不良をなんとかしようと「糖質制限」を始めて、その効果にびっくり。
糖質制限を入り口に「分子栄養学」の世界に足を踏み入れられたそうです。

「精神医学の世界には、栄養のことは存在しない」ことに気づかれて、栄養、特に「鉄」に重点を置いた治療をなさっています。

実はこういう方はとても珍しい。

私がお会いしてお話をした精神科の先生で、「精神的な問題に鉄不足が関係している」などという視点を持っている方は皆無でした。
(そんなに多くの精神科医にお会いしたわけではないのですが)誰一人として、「栄養的な問題があるのでは」などと言う方はいませんでした。

たまたま、ふとしたきっかけで藤川先生は「栄養による治療」を手がけ始めます。
そしたら驚いたことに、今まで治らなかった患者さんがどんどん良くなる。

「今まで寛解(症状が悪くならずにいること)には至っても、完治に至らなかった患者さんが、薬なしでも大丈夫で、完治してしまう」という驚くべき結果が出てくるのです。

もちろん、患者さん一人一人からすれば「良くなった」方もいれば「良くならない」という方もいると思います。
でも医師の立場からすると「こんなに高率で良くなるんだ」という驚きと、喜びがあると思います。

藤川先生は新宿の溝口先生などの本を読んで研究して、「フェリチン」を量ることで貧血の程度を把握されています。

フェリチンの値が改善すると、それに伴って症状が改善する、という相関関係に気付かれます。


藤川先生によれば、15歳から50歳の日本女性の8割が鉄不足。

そして、「鉄とタンパク質の不足が、うつやパニックを引き起こしている」事にも気付かれます。

日本で、世界で、本当の原因に気がつかないまま、薬漬けになっている患者さんが多くいます。
そういう方々にこの本を読んでもらいたいと、強く思います。

また、先生はお母さんが貧血だと、子どもに発達障害の症状が出ることに気が付かれます。
脳内伝達物質の合成に鉄などのミネラルは必須だからです。

もちろん、先進国で増え続けている発達障害は「鉄不足」だけではなく、腸や脳の炎症が深く関わっていて、一筋縄ではいかないものですが、日本人の場合は「鉄不足」「糖質の取りすぎによる低血糖症」などの影響も大きいと思われます。

この文章の前に書いた「その1」で発達障害の薬物療法の問題点を追及した本を紹介しました。

その本と比べると、こちらは「こんなに良くなるよ」という希望にあふれています。

この違いって何なのだろう。どうしてこんな落差が出てくるのだろう。

前にも書いたのですが、発達障害の子どもを持つ親御さんは、追い詰められます。

発達障害は先天的な脳の障害なので、治りません。
療育と投薬しか道がありません。
早く発見して早く治療(投薬)しましょう。


という圧力を撥ね返すのには大変なエネルギーが必要です。

それでも少しずつですが、食事や栄養をツールとして使いこなす方法を書いた本が出版されてきています。
もしかしたら、お医者さんよりも、こういう本を読み込んでいる患者さんの方が、新しい知識を手に入れているのかもしれません。

昔はあんな治療をしてたんだってさ、信じられないね。

という時代がきっと来ると思います。

スポンサーサイト

夏休みに読んだ2冊の本 その1

勤め先のフリースクールが7月の末に夏休みに入りました。
寮に入っている生徒たちは帰省し、私も忙しい毎日から解放されました。

そこで、なかなかできなかった読書をしました。

まず、読んだのが、『発達障害の薬物療法を考える』(嶋田和子)という本です。
著者の嶋田さんは「精神医療の真実 聞かせてくださいあなたの体験」というタイトルのブログを開設していて、精神科の薬物による治療、特に多剤処方やそのために引き起こされる離脱症状(薬を止めようとすると症状が増悪する)について、たくさんの患者さんにインタビューして、安易な薬物投与に警鐘を鳴らしていらっしゃいます。

私は自分の子どもが同じ経験をしたので、嶋田さんの姿勢に共感を覚えています。
時々ブログにお邪魔して、様々な体験記録を読んでいます。
その嶋田さんが、「発達障害の子どもへの投薬」について疑問を感じて、たくさんの親や子どもの体験を聞き取ったものを本にしました。

少し前に「うつ病キャンペーン」というものが流行って(?)多くの方が精神科に繋がれました。
「お父さん眠れてる?」というキャッチコピーを覚えている方も多いでしょう。
あのキャンペーン、どうなったのかな~。

あまり成果は無く、いやいや、うつ病患者が100万人に膨れ上がり・・・。
最近鳴りを潜めていると思ったら、今度の流行りは「発達障害」だそうですよ。

この本には、「発達障害は先天的なもの」「治らないので、療育と投薬しか方法はない」という言葉に翻弄されていく親と子どもの姿が描かれています。
「早期発見、早期治療」の掛け声のもと、発見→医療に繋げる→投薬という流れに絡め取られていく子どもたち。
正直言って、後味の悪い本です。

子どもに投薬することで、どんな副作用が出るか分からないし、長期に渡って脳に作用する薬を飲み続けていいのか、という不安は皆さん持っていると思います。
親にしてみれば、できたら投薬なんかしたくない。
でも、周りの圧力があるのです。
学校で乱暴なことをすれば、他の親御さんから苦情が来る。
学校の先生は「薬を飲まないなら学校に来てもらっては困る」と言う。
そして何より子ども自身が「自分はだめな子」と思ってしまう。

そして精神科に行けば、いとも簡単に投薬がなされる。
社会の流れを受けて(こういうの忖度って言うのかなあ?)今まで認可されていなかったリスパダールなどの向精神薬が認可されて使えるようになっていく。

そしてまた、投薬を受け入れた親御さんからの、著者への激しい非難。
うちはそれでうまくいっているのに、なんで余計なこと言うのよ!!

何度も同じことを言って恐縮なのですが、私は子どもの断薬で大変苦労しました。
(「私の体験」というカテゴリをお読みください。)
そして、栄養を使った治療が投薬と全く違う治り方をすることに驚愕しました。
本当に目からうろこが落ちたのです。

私が細々と「子ども相談室」を開いているのは、投薬治療ではない、別の方法があるよ、と伝えたいからです。
そのことについては、この本の最後の章で「新たな視点」として書かれています。
でも、嶋田さんは栄養療法についてもシビアな目でみているようで、書かれていることは多くありません。

「最初に子どもをどのレールに乗せるのか、この選択は子どもの一生を左右する、じつに大きな問題である。」

という言葉でこの本は終わるのだけれど、途方にくれているお母さんたちは、この言葉で救われるのかなあ、よけいに途方にくれてしまいそうな気がして・・・。
なんともやるせないのです。

プロフィール

poco a poco

Author:poco a poco
加賀瀬みどりです。愛知県出身の60歳です。上田に家を建てて20年近く。高校の講師を19年間続けてきました。2015年7月より上田市内で「子育てカウンセリングルーム」を開設しました。自分の家族の体験から栄養の大切さに気づき、「栄養療法」の勉強を続けてきました。この勉強はかれこれ9年になります。今までの考え方を覆すような驚きの連続でした。勉強したことを生かして、子育てに悩むお母さんがたの手助けをしたいと思っています。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
来室数
あなたは
検索フォーム
QRコード
QR
参考リンク
参考図書
おすすめ商品