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Yちゃんへの食事指導

Yちゃんはサムガクに体験に来たお嬢さんです。

初日はなんとかこなしましたが、次の日はイベントが盛りだくさんで、かなり疲れたようでした。

「発狂する気がする。」と言って、外に出て、叫んだり泣きじゃくったりしました。

スタッフさんが対応して、「甘やかしてはいけない」ということで、適当な無視、やれることは自分でやらせる、という対応をしていました。

彼女自身が「人に甘えたい、依存したい」という思いが強いからだ、という判断です。

それ自体は問題の無い対応だと思います。

私も彼女の「発狂」を目の当たりにしました。
そして思いました。「これは低血糖症だ」。

彼女はいつも具合が悪く、食事が摂れない時は「アイスクリームなら食べられる」と言って、アイスクリームを買いに行ってもらっていました。

Yちゃん用の「ポカリスエット」の粉が置いてありました。

ポカリスエットは健康飲料と言うよりは、糖質たっぷりの飲み物です。


それを知らない人は、体に良いと思ってたくさん飲んでいるようです。

Yちゃんは、自分の体に起こる異変に、とても困っているのではないかなあ?と私は思いました。

それで、Yちゃんに
三度の食事をきちんと食べること。
アイスクリームは食事が終わった後で食べるようにすること。
ポカリスエットを止めて、水かお茶にすること。
というお話をしました。

学校というところでは、問題と思われることを「精神的な問題」というふうに考えがちです。
私は、別の見方を考えます。

Yちゃんは「どうして私はこうなってしまう(発狂する)のだろう。」と悩んでいると思うのです。

自分の心が弱いのではない、と気づくだけでも、食事を変えるだけでも、改善できると思うのはとても嬉しいことだと思います。



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摂食障害の講演会に行きました。その3

その2まで書いて、時間が経過してしまって申し訳ありません。

最後にお話してくださったのは、家族会会長の鈴木高男さんです。
大柄で優しそうなお父さんです。

レジュメが無かったので、私のメモ書きからまとめてみます。

〇 医療者と家族の役割は違う
病院に行って診断される、治療を受ける、その後家に帰ってからが大変です。

〇 「受け入れている」つもり
親は受け入れているつもりだが、本当にそうなのか。本人はそう感じていない場合が多い。
分かってもらえない→不安→恐怖へ。
「そう、そうだよね」「すごい、すばらしい」といった、肯定的な言葉を適切に使うこと。

〇 表に出ている部分だけ見てはだめ。
氷山の水に隠れた部分を理解すると、「分かってもらえた」と感じる。

〇 「いいかげん、したたか、ずるい」
当事者にはこれが足りない。親も教えていない。これは社会に出て学ぶこと。
これを上手に使えるようになるといい。

〇 当事者は自己評価が低い。
自己評価を上げるには、自分を受け入れること。他者からの評価が必要。
親子でコミュニケーションがあると、褒める点が出てくる。

 親の心配を子どもに預けてはいけない。
本人の不安が大きくなって、症状として出てしまう。

〇 当事者と同様に母親も孤立していく。
孤立を避けるために、仕事はできるだけ続けたほうがいい。
家族会などで話して発散するといい。

〇 日常生活のこと。金銭管理、身だしなみなど。
うまくできていること、弱いことを話し合えるといい。(上からの強制的な命令は絶対にだめ。
食べ吐きするために大量の食べ物を買い込むが、「○○円までにできるかな」という感じでやんわりと枷をはめるといい。
両方で意見を出して折り合いをつける。でないとエスカレートする。
 
〇 病院との関係
理解して対応する先生ばかりではない。理解されない時も不平不満が親に言えるといい。
「体重を増やそうね」ではダメ。「少しでも良くなるといいね」という言い方で。

どうでしょう、このお話。
私は子どもが体調が悪かった頃のことを振り返って涙が出そうでした。

親は大変ですね。特にこういう摂食障害は「親子関係の病気」という見方をされます。
そうなると、親は医師や周囲からも責められます。
親は孤独ですね。長い長い修行を続けているようなものです。

講演会が終わった後、しばらく考え込んでしまいました。

団体の連絡先を書いておきます。
一般社団法人 日本摂食障害協会
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-33 2F
☎ 03-5226-1084  FAX 03-5226-1089
Eメール info@jafed.jp

家族会の情報や勉強会の情報が分かると思います。






摂食障害の講演会に行きました。その2

次にお話してくれたのは、諏訪の日赤病院の精神科の先生でした。丸山先生という方です。
てきぱきした感じの女性でした。

そもそも丸山先生が摂食障害の患者さんと関わりを持ったのは、医師になって3年目のことだそうです。

体重が29㎏になってしまって、命の危険があるということで入院した患者さんに「500ml点滴しますよ」と言って点滴しようとしたら、サクマドロップの缶で思いっきり殴られたそうです。
「痛い!なにすんの!」と怒鳴ったら、「点滴したら私の体重が500g増えるじゃない。その500gをどうしてくれる」と言われて、
「はあ、この子何言ってんの?」
と思ったけれど、その子との出会いから「摂食障害」に興味を持って、精神科医になったのだそうです。

丸山先生の考える摂食障害の発症機序は
発症準備因子(なりやすさ)があるところに、発症誘発因子(きっかけ)が起こり、摂食異常が起こる。
このなりやすさというのは、心理社会的次元(その人の置かれた状況など)と生物学的次元(体質的に精神的な病になりやすい)の二つがあるようです。
きっかけというのは、ダイエットや対人関係のストレス、思春期の葛藤などです。

そして、ふとしたきっかけで始まった摂食異常を持続させてしまう因子が「飢餓症候群」という低栄養状態で起こる身体の変化や脳の機能の変化だそうです。
要するにものの考え方などがおかしくなって、ますます摂食異常をひどくしてしまうという悪循環に陥るのです。

丸山先生は「この悪循環を断ち切るには、体重を増加させないといけない」ということで、患者さんの行動を制限しておいて、体重がこれだけ増えたらこれをしてもいい、という「行動療法」を取り入れて治療するそうです。

患者さんの中には「病的な自己」と「健康な自己」が存在しているので、その健康な部分に働きかけていくようにするのだそうです。

理論的にはそうなのですが、丸山先生の体験では、一筋縄ではいかない人たちがたくさんいるようです。

先生が以前勤めていた東北の病院で受け持っていた患者さんは、小学校の時にお母さんが家を出て行ってしまいます。お姑さんとの関係が原因だったのですが、彼女は「自分がしっかりしなければいけない。頑張ればお母さんは帰って来てくれる」と思って、家事を一生懸命やり、勉強もがんばりました。しかし、お母さんは帰ってきません。成長して高校を卒業、就職してから摂食障害に苦しみ始めます。ひどい食べ吐き、精神不安定になって、何度も入院します。
丸山先生が担当して、一時回復しました。ところが先生が長野県に転勤して何年か経った時、東北から車いすの状態でやって来ます。
彼女の中では、お母さん=私を捨てた=先生も私を捨てた、となっていて、酷い非難の言葉を浴びせるのだそうです。
心を病みそうになりながらも、「厳しい態度で接する」ことをやり通し、母親的な優しい部分はベテランの看護師に任せて、乗り切ったそうです。
家出したお母さんが現れたり、お父さんが「俺が悪かった」と謝ったり、様々な出来事があってのち、彼女は回復して東北の町に帰り、今は仕事に就いたそうです。

彼女が言うには「昔の自分に戻るのではなく、新しい自分になること。新しい自分を受け入れていくことだと気が付きました」。


でも、こんなふうに回復していく人もいれば、低栄養で亡くなってしまう人もいるそうです。
お話を聞いていて、本当に大変な病だなあ、と恐ろしくなりました。

摂食障害の講演会に行きました。その1

先日、知人から「摂食障害についての講演会があるから行ってみてください」と教えていただいて、参加してきました。

会場は以前私も講演会を開いたことがある公民館の同じホールでした。

驚いたのは、100席あるホールがほぼ満席だったこと。

ああ、私がやった時は参加されたのは30人くらいで、ぽつぽつと人が座っていたっけ・・・。
いや、この人数は・・・集まったから嬉しいというものか??

これはたくさんの人が困っているということではないのか?

そして、聞いた内容も驚くことがいっぱいだったのです!

主催は、長野県摂食障害の自助グループ「パステル・ポコ」という団体です。
今年の初めに会を立ち上げて(まだ半年ちょっとですね)、長野県では最初だったそうです。
だから、たぶん長野県全体から来られた方々なのかもしれません。

講師の先生は三人いらっしゃいました。

まず最初は、日本摂食障害協会副理事長の、鈴木裕也先生です。
「摂食障害とは その歴史と現状」というタイトルでお話されました。

摂食障害は昔からある病気。ヨーロッパでは1546年に「4年間食事を取っていない少女」ということで見世物になった子がいた。

日本でも江戸時代、香川修徳という医者が記録を残しているそうです。
「予が見及ぶところ、すでに30人に余る。多くこれ婦女にして、男子はただ2、3人あり。・・・無理に食べさせると吐く。薬湯も吐く。
治療をしようとするほど悪化する。治そうとせずに、そっとしておくのが真の治療法である。」

この最後の部分が大事だそうです。

では現代はどうでしょうか。
1983年にアメリカの歌手、カレン・カーペンターが摂食障害で亡くなります。それを契機に「摂食障害」「拒食症」という病気があることをみんなが知るようになりました。鈴木先生がその頃に本を出版すると、全国から患者さんがやってくるようになったそうです。
潜在的にいたということですね。

摂食障害の発症の原因を探っていくと、色々なヒントが見えてくるそうです。
① 摂食障害は都市部に多い。
② 偏差値の高い女子高校に多発する。
③ 親が教育者の子どもに多い。

最近の傾向としては、しつけのしっかりしたお家の真面目な娘さん、有名なスポーツ選手で努力家、芸能人などが多く発症しているそうです。

要するに、真面目で努力するタイプの人が、過剰なストレスにさらされて、逃げることもできない状況の中で発症するらしいのです。

鈴木先生の推論では、ハードルを越えられなくなった時に、以前の「幼い」自分に戻って一時避難しているのではないか、ということでした。

摂食障害は多くは「拒食症」で始まり、「過食症」へ移行していくそうです。
しかし、食べれば太るので、「食べ吐き」「下剤乱用」をするようになります。
拒食の頃には比較的安定していた精神状態が、過食期になると、
情緒不安定、うつ、不登校、暴力、万引き、買い物やアルコールなどの様々な依存、自傷行為、自殺
などが始まってしまうそうです。

治療者が気を付ける点は
・ 病気の背景にあるものを、治療者、患者双方が認識すること。
・ 病気を理解して、傾聴と的確なサポートをすること。
・ 信頼関係を築いた上で適切なアドバイスをすること。

しかし、これを行うのはそう簡単ではないでしょうね。
凄まじいドロドロの話を次回書きましょう。
プロフィール

poco a poco

Author:poco a poco
加賀瀬みどりです。愛知県出身の60歳です。上田に家を建てて20年近く。高校の講師を19年間続けてきました。2015年7月より上田市内で「子育てカウンセリングルーム」を開設しました。自分の家族の体験から栄養の大切さに気づき、「栄養療法」の勉強を続けてきました。この勉強はかれこれ9年になります。今までの考え方を覆すような驚きの連続でした。勉強したことを生かして、子育てに悩むお母さんがたの手助けをしたいと思っています。

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