FC2ブログ

本田秀夫先生の本の紹介です。

発達障がいの就労についての勉強会に行った話を3回分書きました。
この時の講師の先生が面白かったので、その先生「本田秀夫先生」の本を買って読んでみました。

『あなたの隣の発達障害』・・・こちらは周囲からの視点で書かれたもの。

『発達障害 生きづらさを抱える少数派の種族たち』・・・こちらは当事者の視点で書かれたもの。

本田先生自身が発達障害の特性を自覚しているので、両方の視点から書かれたのだそうです。

どちらも大変興味深い内容でした。

本田先生は精神科医として30年以上を発達障害の診療に費やしてこられ、幼児から大人になるまでの長いスパンで見守ってきた、という世界的にも数少ない臨床医です。

だからこそ言えることがたくさんあると思います。

発達障害の人たちは自分の行動や心理に対してなかなか理解を得られず、生きづらさを感じていること。
それを適切に理解するためには、気を付けなければいけないポイントがあるそうです。

一つは、発達障害は重複する、ということ。

ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)はしばしば重複して現れるので、例えば「ADHDだ」と決めつけてそれに合わせた対応をしていてもうまく行かない場合があるそうです。
特性の濃淡を理解して特性に合った生活をすることで障害に対応できるのではないか、と言うのが本田先生の考え方です。

例として、「糖尿病への対応」を出されていました。
これはどういうことかと言うと、糖尿病は一般的にインスリンの作用が不足して高血糖などの代謝異常が起こり、合併症を引き起こすものです。
でも現在では「ヘモグロビンA1C]を調べることで、合併症が起こる前に糖尿病を把握して予防することができるようになりました。
これと同じように、生活に支障が起こる前に、発達障害の特性に気付けば支障をかなり予防できるのではないか、というのが本田先生の考えです。

発達の特性を理解する、ということは自分自身を知る、ということですね。

特に女の子に多いそうですが、おとなしくてある程度周りの様子も分かるので、発達の特性があることを周囲も本人も気が付かないで成長することがあります。
それが、就職などをきっかけに周囲とうまくいかなくなり、心を病んでしまったりするようです。
これを本田先生は「過剰適応」したためだと言われます。
周りに合わせなくてはいけない、と思って一生懸命になって、潰れてしまうのですね。

こういう事はよく見聞きすることですね。
もっと自分のやりたいことを中心に据えていく方がいい、と先生は言われています。
もっともだと思う一方で、「でも仕事をしていくにはいろいろあるしなあ・・」という思いも出てきます。

これは難しい問題ですね・・・。




発達障がいについての勉強会に行きました。その3

このように、育ち方で社会への適応力がずいぶん変わってしまうようです。

そうは言っても、もう成人してしまった人はどうすればいいのか?などいろいろな疑問が湧いてきますよね。

本田先生が協調してみえたのは、「発達障がいの人たちは相当に過剰適応していて、ストレスを抱えている。そのことを周囲が理解してほしい」ということです。

一見普通に振舞っているように見えても、実は非常に抑圧感を持っていて、二次障害(ストレスによる精神症状など)が出てしまいがちなのだそうです。

自閉症スペクトラムの人のハッピーな生き方とは
 ・ プライベートタイムを最優先する
 ・ やりたいことから順にやる
 ・ 睡眠はちゃんととる
 ・ やるべきとわかっていても気が進まないことは余った時間にする

というものだそうです。

そして、発達障がいの人たちの就労スローガンは
 ・ 仕事は遊び半分でやれ
 ・ 仕事は休み休みやれ
 ・ スタートダッシュは絶対にするな

  (ずっとそのペースで走れないのに走ってしまうから)
だそうです。

なんとまあ、うらやましい!自分もそういうふうに働きたい!と思いますよね。

前にも書いたように、「発達障がいの人にとっては、普通に振舞うだけで大変なストレスだ」ということを、障がいの無い人は理解してほしい、のだそうです。
例えば、身長の低い人だったら、高い所にある物を取るのに踏み台を用意しますよね。
「合理的配慮」とはそれと同じことなのだそうです。
やりたくないからやらない、のではなく、できないのに「やれ、やれ」と言われたら心を病んでしまいます。

それともう一つ
考え方や感じ方が違う他者を排除する組織は普通の人にとっても居心地が悪いのではないか、ということです。
出来ない事が多い発達障がいの人を「お互い様」の社風で受け入れられたら、他の社員もありがたいのではないか。

そして、障がい者雇用は会社にとってもメリットがあります。事業所によっては○○パーセントというように決められています。
その代わり、ちゃんと雇用すれば補助があります。
だから、お互いにとって良いあり方を考えていくのが大切だそうです。

こんなふうに考えると、なるほどなあ、と思いますよね。

現実はそう簡単ではないと思いますが、より良い方向に行くよう、理解しあうことが大切だと思いました。


発達障がいについての勉強会に行きました。その2

本田先生の出会った子どもたちの中でも比較的適応の良いケースです。
こだわりの強さや空気の読めなさ、興味の限定などの自閉症スペクトラムの特徴があるけれども、学校を出て就労し、職場でもうまく溶け込んで働いている人がいるそうです。

そういうケースと育ち方には関係があるそうで、4つの育ち方についてお話を聞きました。

1 特性特異的教育タイプ
2 放任タイプ
3 過剰訓練タイプ
4 自主性過尊重タイプ

の4つです。

1つ目の特性特異的教育タイプというのは

・ 個々の発達特性に応じて必要な課題
・ 本人が興味をもって取り組める手法
・ 少しの努力で短期間に達成可能な目標設定
・ 他者に気軽に相談できる環境の提供

という環境で育ってその結果
・ 真面目で安定した性格
・ 得意領域が伸びている
・ 苦手領域にそれほど強い苦手意識はない
・ 進路について自分で調べ、人に相談できる

というような状態になります。つまり、社会に出て行くには一番いい状態ですね。
付け加えると、興味のあることを伸ばすことによって苦手な部分をカバーできるようになるそうです。

2番目の放任タイプはどうかというと

・ 発達特性に対する理解が全く得られない環境
  普通の子育て、教育環境
  子どもがネグレクトされている環境
・ 場当たり的な対応になりがち
・ 様々な形で周囲と軋轢
 補足・・・ネグレクトというのは、ただ口でワアーと言っても理解できないので、結果ネグレクトと同じことになる、ということだそうです。

こういう環境で育って、その結果
・ 不安と他者への猜疑心が強い
・ 情緒不安定、他罰的、攻撃的
・ さまざまな精神症状の併発
・ 将来について無関心、見通しがない

という状態になるそうです。

3つ目の過剰訓練タイプ

・ 発達特性を周囲が否定
・ 苦手領域の克服のため、本人に過重な課題を与える
・ 本人が好きなことや得意なことは認めない

すると、どうなるかと言うと
・ ストレスがかかることを避ける
・ 無気力、無関心
・ 就労することが怖い、自信が無い

という結果になるそうです。
本田先生によりますと、こういうケースがとても多いそうで、苦手を無理にやらせて自信喪失してしまうのだとか。
そしてストレスにとても弱くなってしまうそうです。

4つ目の自主性過尊重タイプはというと

・ 支援者が本人のストレス軽減だけを重視する
・ なんの教示もせず、すべて本人の意志にまかせる
・ 学校の成績が優秀なケースなどに多い
補足・・・このケースは実は我が国の教育システムにぴったり合ってしまって、勉強だけはできるけれど、それ以外のこと(友達付き合いとか実務的な能力とか)が欠落してしまうのだそうです。
そういう環境で育つと

・ 好きなこと以外は全くやりたくない
・ 「仕事をやってやる」という傲慢な態度
・ 実用的な能力に乏しい
・ 目前の問題は回避できるが、どこかで齟齬が生じて本人の混乱がかえって強くなる

このケースは勉強ができて、良い大学に行くのですが、就職してから困ってしまう、ということになるそうです。

長くなりました。次回に続きます。



発達障がいについての勉強会に行きました。

すっかり春めいてきました。
私はまたまたバタバタして、ブログの更新を忘れておりました・・。

さて、先日勤め先の職員さんと一緒に「発達障がい就労支援研修会」という勉強会に行ってきました。
せっかく良い機会を頂いたので、忘れないようにという気持ちも含めてブログにアップしたいと思います。

主催は「長野県発達障がい者支援センター」で、講師の先生は、「信州大学医学部付属病院 子どものこころ診療部」部長の本田秀夫先生です。

主催者といい、講師といい、「絶対眠くなる!」と参加者一同危惧しながら、松本の信州大まで行ったのですが・・。
良い意味で期待を裏切られて、とても面白い講演会でありました。

そもそも本田先生自身が「僕は発達障がいだと思います。」と言われまして、「なので、当事者からの目線と周囲からの目線の両方の本を書いています。」とのこと。

なかなか理解されない「発達障がいの人の内面」についても語ってくださいました。
ユーモアたっぷりでお話上手、どこが発達障がいなの?という感じでした。

発達障がいの定義は
・行動特性になんらかの特記すべき異常がある。
・その異常は乳幼児期から見られ、成人後も残る。
・その異常が要因となって、生活に支障をきたす。
というものだそうですが、実はこれは周囲から見た基準であって、本人は別の考え方をしていること。
そして、一生懸命周囲に合わせようと努力をするが、破綻してしまうのだ、ということ。

そして、本田先生が長年関わってきた人たちを見ていると、
発達障がいではないかと思って受診する人が困っている問題のほとんどは・・・発達障がいの症状ではない!
当事者が困っていることを・・・周囲の人たちは大した問題ではないと思っている!
発達障がいの同僚について会社の人が困っている問題の多くは・・・障がいそのものではなく、育ち方に由来する!

ということに気付いたそうです。

小さいころからずっと見ていると、自閉症スペクトラムの症状は残存しているが、社会適応は悪くない、むしろ適応の良好な例も少なくないのだそうです。

良好な適応が出来ている人と出来ていない人を調べていくと、「育ち方」の問題に行き着くそうです。

すいませんが、続きは次回に。早めにアップしますね!

ストレスから身を守るには?

しばらくブログの更新をしないでいたら、おかしな広告が出ていました・・・(・Д・)ノ。

しまった!以前も何やかんや忙しがっていたら、ブログに「カビ」が生えたのだった。

今回、ブログに手を付けられなかったのは、実は「ストレス」が原因です。
人生には山や谷がありますね。
山の上にいる時には、周りの様子もよく見えるし、どっちへ進めばいいか、よく分かります。
ところが、谷に入り込んでしまうと、どうしたらいいのか分からなくなってしまいます。

私は自分では気楽でポジティブな人間だと思っているのですが、なかなか解決しない問題を抱えていると、だんだんと心も重くなってしまいます。

「ストレス」というのは手強いものです。
それをしみじみと感じています。


いつもなら、「とりあえず寝て元気を出そう」とか「温泉に行って美味しいものでも食べよう」などと、お気楽なことを考えて気晴らしするのですが、なかなかそうもいきません。

自分の事でしたらなんとか折り合いをつけるのですが、自分ではどうしようもないので、本当に困ります。

仕方がないので、今は

いずれは季節が変わるように変化がくるだろうから、待つ。
待つ間も、できるだけ自分のペースを崩さないように心がける。
すぐにお腹の調子が悪くなるので、お腹に良いものを食べる。
出掛けることを減らす。誘ってくれる人には「ごめんなさい」と言ってお断りする。

そんなことに気を付けながら生活しています。

長野の冬は大変寒いので、それもあって、「じっと我慢」しています。

春が待ち遠しいですね。本当に。

プロフィール

poco a poco

Author:poco a poco
加賀瀬みどりです。愛知県出身の60歳です。上田に家を建てて20年近く。高校の講師を19年間続けてきました。2015年7月より上田市内で「子育てカウンセリングルーム」を開設しました。自分の家族の体験から栄養の大切さに気づき、「栄養療法」の勉強を続けてきました。この勉強はかれこれ9年になります。今までの考え方を覆すような驚きの連続でした。勉強したことを生かして、子育てに悩むお母さんがたの手助けをしたいと思っています。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
来室数
あなたは
検索フォーム
QRコード
QR
参考リンク
参考図書
おすすめ商品